「サポカー」特集一覧

2020

2020.3.13 
【特集】高齢運転者(65歳以上)の方を対象とした「サポカー補助金」がはじまります

高齢運転者(65歳以上)の方を
対象とした
「サポカー補助金」がはじまります

※2020年3月9日から申請受付が開始されました。

先進安全技術はあくまでも安全運転の支援であり、機能には限界があります。

「サポカー・サポカーS に搭載されている先進安全技術は、交通事故の防止や被害の軽減に役立ちますが、機能には限界があります。路面や気象条件によっては作動しない場合もありますので、機能を過信せず、引き続きドライバーの皆様が常に安全運転に心がけていただくようお願いいたします。

社会問題化する
高齢ドライバーの運転ミス

高齢ドライバーによる交通事故へ注意喚起がされているものの、痛ましい事故のニュースは今でも度々報道されます。コンビニなどの駐車場でブレーキとアクセルを踏み間違えて店内に突っ込んだり、走行中にブレーキを踏むべきところでアクセルを踏んで暴走したり。高齢者の免許返納制度など、様々な取り組みが行われていますが、公共交通機関の充実した都市部ならともかく、地方に住んでいる人にとって自動車は生活に欠かせない足であり、手放すことは簡単ではありません。

実際の統計から高齢者事故の実情を見てみましょう。
75歳以上の高齢ドライバーよる死亡事故件数は、近年、横ばいで推移していますが、死亡事故件数全体が減少傾向にあるため、その占める割合は高まっています。
また、死亡事故の人的要因で75歳以上と75歳未満で大きな差が見られるのは、ブレーキとアクセルの踏み間違いなどによる運転ミスからの事故。2018年警察庁の資料によると、75歳以上の運転ミスの割合は30%にも上り、75歳未満に比べて2倍近くも高くなっています。自分では運転に自信があると思っていても、高齢になると運転能力の衰えによる運転ミスが増えているのが現状です。この運転ミスを少しでも自動車の機能で助けられないだろうか…という思いから、安全運転サポート車の「サポカー」が生まれました。

死亡事故の人的要因 死亡事故の人的要因

自動車関係者による
「サポカー」の普及啓発活動

安全運転をサポートする「サポカー」に関しては、主に経済産業省、国土交通省といった省庁、製造している自動車メーカー、交通事故の軽減に努める全国の警察関係者といった自動車の運転に関わる様々な関係者により、全国で普及啓発活動が行われています。経済産業省では、本サイトのような「サポカー」に対する情報や試乗会などの情報発信を行っています。また、2020年1月19日から2月16日にかけては、自動車関係者とともに全国8か所で「サポカー実感試乗会」を実施。体験後の声として「しっかりと止まることに驚いた」「素晴らしい機能」との感想をいただきました。その一方で話題に上ったのが、「サポカー」に乗り換える費用のことです。高齢ドライバーの多くは年金生活者であり、乗り換えたいとは思うけれど「費用的に少しでも安価な自動車を選んでしまう」との声も聞かれました。

高齢ドライバーにうれしい補助金制度

費用の面で悩む高齢ドライバーを資金面でサポートする「サポカー補助金」が、2019年度補正予算に盛り込まれ、2020年3月9日から申請受付が開始されました。これに伴い、65歳以上になるドライバーが「対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ」と「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」 の両方を搭載した「サポカー」を購入する場合、乗用車で10万円、軽自動車で7万円、中古車で4万円の補助金を受け取ることができるようになりました。「対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ」のみ搭載の場合は、乗用車で6万円、軽自動車で3万円、中古車で2万円を補助。すでに購入している自動車に後付けの「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」を設置した場合でも、障害物検知機能付きで上限4万円、同機能がない場合で上限2万円の補助を受けられます。

>サポカーの申請受付はこちらから

「サポカー補助金」対象車とは

「サポカー」の持っている機能は主に大きく2つ。ひとつは、ブレーキを踏みそこなった時の「衝突被害軽減ブレーキ」。前方の不注意による運転ミスをサポートしてくれます。もうひとつは、アクセルブレーキの「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」です。このような運転ミスは、ちょっとした不注意や焦りによって誰にも起き得ること。高齢者であればなおさらです。今回の「サポカー補助金」は下記の2つの機能に関して支給されます。

①対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ
②ペダル踏み間違い急発進抑制装置

①の「対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ」とは、いわゆる自動ブレーキで、歩行者に対して対応していることが条件となります。
②の「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」とは、アクセル・ブレーキ踏み間違いによる急発進・急加速を抑制する装置。コンビニなどの店舗へ突っ込む事故の増加に伴い、それを防止するために普及してきた装置です。

サポカー補助金の対象となる
車種・グレード等についてはこちら
>新車
>中古車

高齢者になっても安全運転するために

年齢とともに身体的な衰えがはじまり、運転技術も低下していくのは、事故の統計データや試乗会での話からも明らかです。しかしながら、運転技術に自信があると自負する高齢者が多いのも事実。たとえどんなに運転に自信があっても、“まさか”が起きるのが交通事故です。
自分が気をつけることはもちろん、自動車自体も気をつけてくれる「サポカー」は、より良い安全な社会を実現するために必要なことと考えています。誰かを傷つけてしまう可能性を少しでも減らし、いつまでも安全・安心な運転をするためにも、「サポカー補助金」を活用して「サポカー」を購入されてみてはいかがでしょうか。

2020.3.6 
【特集】安全運転サポート車 サポカー実感試乗会レポート

全国8か所で
「サポカー実感試乗会」開催!

2020年1月19日〜2月16日、経済産業省は「サポカー実感試乗会」を実施。自動車メーカー、警察関係者に協力いただき、北海道・宮城・埼玉・愛知・大阪・広島・香川・福岡の全国8か所で開催されました。
高齢者の運転ミスによる事故が相次ぐ中、この試乗会は安全運転をサポートするサポカーの普及啓発に加え、実際にサポカー試乗体験をしていただくことで、サポカーの重要性の理解を目的とします。今後、新車や後付け装置購入の65歳以上の方にはサポカー補助金が支給されることもあり、次期購入への動機付けにつながることも期待しながらの試乗会。サポカー補助金の対象である「衝突被害軽減ブレーキ」、「ペダル踏み間違い急発進等抑制装置」を搭載した各メーカーの実車で試乗していただきました。

全国で625名が試乗。
テレビのニュースで地域住民にもPR

「サポカー実感試乗会」は主に免許更新者に向けた試みとして、各地域の免許センター(埼玉は流通駐車場)で実施されました。参加者は全国で625名!広島ではサポカー推進キャラクター・サポにゃんが登場し、埼玉ではパトカーや白バイの展示が行われるなど、会場内でも注目されるイベントとなりました。試乗会の様子は各地域のテレビ局が取材。ニュースや情報番組でオンエアされ、メディアを通じて参加されなかった地域の方々にもPRすることができました。
自動車や運転に関心が高まる免許更新日に、警察関係者の協力を得て免許センターで実施できたことは、サポカーの有効性がより記憶されると思います。さらには、各会場に自動車メーカーと後付け型の装置を提供する事業者が参加。サポカーの普及により交通事故を少しでも減らそうと、経済産業省、自動車メーカー、警察関係者が一致団結して取り組めたことも成果のひとつでした。

高齢者やシニアだけでなく、
若い女性の関心も高い

「サポカー実感試乗会」は休日に実施されたこともあり、参加者の大半は現役の社会人でした。実際に試乗された方も65歳以上は比較的少なく、50代シニアの方々、特に女性ドライバーの参加が目立っていました。また、高松や広島といった比較的地域部では、20代女性の関心が高いことがわかりました。実際に通勤で自動車を利用する方が多いためか体験談を聞くと、ペダルの踏み間違いというよりは「通勤時に追突しそうになり、自動ブレーキがあると安心」という声が多かったです。当初、若い人の参加は高齢の親に勧めるためと思われていましたが、意外なことに本人も関心があるという新たな発見につながりました。運転に自信のない日常的に自動車に乗っている方ほど、サポカーに関心があるということです。むしろ、高齢の男性に「関心ない」と話す人が散見されたので、いかに運転に自信のある高齢ドライバーに理解してもらうかが今後の課題かもしれません。

これから試乗会は重要になっていく

補助金の対象である65歳以上の高齢者に加え、日頃自動車に乗っている運転に自信のないシニア女性と若い女性の関心の高さ。そして、すでにサポカーに乗られている人には、実際にどのように機能するかを体感できる好機となった試乗会。今後、補助金制度が進むことで、新車がサポカーへと変化する中で、試乗会の意味はますます重要になっていくことが想定できました。
さらには、警察関係者の協力のもと、講習会の中でサポカー紹介をしていただくことで、試乗会参加者が多くなるという効果もありました。ある地域では講習の先生自らサポカーを体験するなど、本当に交通事故を減らそうという共通認識の中で、自動車メーカーの皆さまも含め、素晴らしい「サポカー実感試乗会」ができたと思います。

サポカー実感試乗会 THE MOVIE

【撮影日】
2020年1月19日(日)

【撮影場所】
大阪府門真市 門真運転免許試験場

【目的】
来場者に対し、衝突被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違え抑制機能を体験いただくことにより、機能の理解を深め、サポカー購入のきっかけにしていただく

各会場の様子

大阪府 門真運転免許試験場

門真運転免許試験場にて第1回目の経済産業省主催「サポカー実感試乗会」を開催いたしました。

  • ■開催日:2020年1月19日(日)10:00~15:00
  • ■体験者数:38人
  • ■参加企業:ダイハツ、ホンダ、サン自動車工業
  • ■取材関係:
    ・TVOテレビ大阪
     1/19(日)17:25~17:30「優しいニュース」+(報道露出)
    ・NHK/日刊自動車新聞
北海道 札幌運転免許試験場

札幌会場では天候(雪)を考慮し、スバルはVR体験を実施いたしました。

  • ■開催日:2020年1月26日(日)10:30~15:00
  • ■体験者数:45人
  • ■参加企業:スバル、サン自動車工業
  • ■取材関係:
    ・UHB北海道文化放送
     1/26(日)17:30~18:00  FNN Live News it!
     2/11(火・祝)15:50~19:00 情報番組「みんテレ」
     2/23(日)06:15~06:20 ニュース「ビジネスフラッシュ」
    ・北海道放送/日刊自動車新聞
愛知県 愛知県運転免許試験場

トヨタ・三菱・データシステム計6台のサポカーを乗り比べ、サポカーに対してより深い理解をしていただきました。

  • ■開催日:2020年1月26日(日)10:00~15:00
  • ■体験者数:49人
  • ■参加企業:トヨタ、三菱、データシステム
  • ■取材関係:
    ・TVAテレビ愛知
     1/26(日)17:25~17:30「TXNニュース」
埼玉県 アリオ上尾 東平面駐車場

サポカー体験の他、交通安全体験車サイトくんやパトカー・白バイの乗車体験もでき、家族連れをはじめ多くの方にご来場いただきました。

  • ■開催日:2020年2月1日(土)10:00~15:00
  • ■体験者数:144人
  • ■参加企業:スズキ、日産、サン自動車工業、データシステム
  • ■取材関係:
    ・TVSテレビ埼玉
     2/1(土) ニュース「ウィークエンドニュースサタデー」
    2/14(金)「情報番組マチコミ」
    ・フジテレビ/テレビ朝日/日刊自動車新聞/CARトップ/ベストカー/CarGoods/ザ・マイカー
宮城県 宮城県運転免許センター

多くの方にサポカーと後付けのペダル踏み間違い急発進等抑制装置の両方の体験をしていただき、安全運転の大切さを再認識していただきました。

  • ■開催日:2020年2月9日(日)9:30~15:00
  • ■体験者数:62人
  • ■参加企業:スズキ、データシステム
  • ■取材関係:
    ・ KHB東日本放送  2/26(水)16:45~19:00 18時台予定「チャージ!」
    ・仙台放送/公明党新聞
香川県 香川県運転免許センター

みなさん安全運転についての関心は高く、免許更新にきた多くの方にサポカー体験をしていただきました。

  • ■開催日:2020年2月9日(日)9:30~15:00
  • ■体験者数:101人
  • ■参加企業:スバル、マツダ、データシステム
  • ■取材関係:
    ・KSB瀬戸内海放送
     2/12(水)18:15~19:00「KSBスーパーJチャンネル」
    ・ザ・マイカー
福岡県 筑豊自動車運転免許試験場

サポカー体験以外に、(事故を防ぐために)アクセルとブレーキを一体化させたナルセペダルの体験もしていただきました。

  • ■開催日:2020年2月9日(土)9:30~15:00
  • ■体験者数:66人
  • ■参加企業:ダイハツ、トヨタ、サン自動車工業、データシステム、ナルセ機材
  • ■取材関係:
    ・RKB毎日放送
     2/9(日)13:55~ 「RKBヘッドライン」
     2/9(日)17:30~ 「Nスタ内ローカルニュース」
     2/10(月)7:00~ 「あさチャン内ローカルニュース」
     2/10(月)18:15~ 「今日感ニュース」内
     3/9(月)10:24~ 「宣伝上手」
    ・西日本新聞
広島県 広島県運転免許センター

当日の様子:広島県警やサポカー協議会協力のもと、多くの方にサポカーの機能の重要性を体感していただきました。

  • ■開催日:2020年2月16日(日)9:30~15:00
  • ■体験者数:120人
  • ■参加企業:ホンダ、マツダ、サン自動車工業
  • ■取材関係:
    ・RCC中国放送
     2/24(月)15:00~18:56 情報番組「イマナマ!」
    ・日刊自動車新聞社
2019

2019.9.13 
【特集】高齢者の衰えはじめた運転能力を
クルマがサポートしてくれるサポカー

高齢者の衰えはじめた
運転能力を
クルマが
サポートしてくれるサポカー

死亡リスクが高い
高齢運転者の交通事故

4月に起きた池袋の交通事故を始めとして、昨今、高齢運転者による交通事故は注目を集めています。政府は、免許返納など様々な取り組みを行なっていますが、車なしでは生活が難しい地域の方もいます。高齢者の運転の現状ついて、データでみてみましょう。右のグラフでは、死亡事故件数全体に占める高齢運転者の割合が増加しています。75歳以上の運転者による死亡事故件数は、近年、横ばいで推移していますが、死亡事故件数全体が減少傾向にあるため、その占める割合は増加しています。2018年中の75歳以上の運転者による死亡事故は、75歳未満の運転者に比べブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故の占める割合が約5倍高いほか、工作物衝突や路外逸脱等の車両単独の占める割合が高いことが明らかになっています。つまり、若者だったら死亡することのない単独の事故でも、高齢者だと死亡するリスクが高いのです。

衰え始めた運転技術を補う「サポカー」

ドライバー自身の事故原因である、操作・行動ミス、判断・予測ミス、認知ミスを少しでも防ぐために、有効な自動車が「サポカー」です。ブレーキを踏みそこなったり、ペダルを踏み間違えること。それは、ちょっとした不注意や焦りなどによって、誰の身にも起き得ることです。そこで、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術でドライバーの安全運転を支援してくれる車が、サポカー、サポカーSです。
国内乗用車メーカーにおける衝突被害軽減ブレーキの新車搭載率は2017年時点で約78%。実はサポカーは特別な車ではありません。自動車メーカー各社は、衝突被害軽減ブレーキをはじめ、さまざまな先進安全技術を搭載した車を開発、販売することによって、ドライバーの皆さまの安全運転をサポートしています。

試乗会では、自動ブレーキの効きに
驚きの声が上がる

以前取材した、広島のサポカー試乗会では、その性能に驚きの声が多く聞こえました。特に、自動ブレーキの方は、体験 を終えた方にお話をお伺いすると、「思ったよりキュッときくんだな」「確かに思った以上に有効な機能」「キュッて止まるの、素晴らしい」といったような感想でした。
既にサポカーをお持ちの体験者のひとりは、「右折するときに渋滞で反対車線の車は交差点の手前で停車。後続車は並んでいるし、大丈夫かと思い、右折し始めたら、オートバイがスッと出てきて、ピピピと止まった。自動ブレーキに助けられてホッとした」と自動ブレーキに助けられたと話されていました。
また、今回試乗体験に参加した理由の多くは、高齢者の自動車事故のニュースが最近多く、自分も不安になったと話されていました。50代女性の方の話ですが、「最近高齢者の事故も増えてきて、不安。日頃運転していても、こんなところで入ってくる?っていうことがあるので、そういう時の判断。あと左折右折の時は少しスピード落として止まれるようにはしているけど、急に人が出てきたりした時に、障害物と判断してストップしてくれれば、ちょっと衰えた部分をサポートしてくれるかなと思っている」とのこと。

人間だけでなく
車も気をつけてくれるのがサポカー

他にも左折右折の時には注意していても、ハッとする時が多いと皆さん話されていました。自分が予期できないことが起きやすいのが交差点。自動車だけでなく、歩行者も自転車もバイクも交差する場所で、人それぞれの意思があるので、時にはその意思が通じず事故が起きやすいのかもしれません。体験者の一人が、サポカーのことを「事故が少なくなればいいと思うけど。自分も気をつけて車も気をつけてくれるっていう感じ」と話されていました。まさに、人間だけではなく車も気をつけてくれているという感覚がサポカーなのかもしれません。

いつまでも安全に運転するために

誰しもが、歳をとると共に運転技術が衰えてきます。自分がどれだけ気をつけていても、どれだけ運転技術に自信があっても、もしかしたら明日は我が身かもしれません。これからは、自分が気をつけることはもちろん、車も気をつけることが大事なのかもしれません。誰かを傷つけてしまう可能性を少しでも減らすためにも、また、いつまでも安全に、安心して運転するためにも、新しくクルマを購入される場合はサポカーをお勧めします。

2019.7.15 
【特集】広島県交通安全フェスタ2019
サポカー試乗体験特別リポート

広島県交通安全フェスタ2019
サポカー試乗体験特別リポート

広島県交通安全フェスタ2019サポカー試乗体験特別リポート

梅雨の晴れ間に
広島県交通安全フェスタ2019

サポカーサイト運営事務局の取材班は、梅雨時期の7月15日(祝)に広島へと向かいました。ずっと全国的に梅雨らしい曇りと雨が続いていましたが、当日は梅雨の晴れ間で久しぶりに太陽を見た気分でした。交通安全フェスタの会場である広島県運転免許センターには、県警の白バイ隊や音楽隊、パトカーが整列。会場に集まった参加者は大興奮です。他にもJAFやVR体験など、サポカー試乗会も含めて、様々なコーナーがありました。開会式が始まると交通安全運動のキャラクター「キラリ☆マン」も加わって、会場は暑さと熱気に包まれました。実は、この交通安全フェスタは、本来ならば2回目の開催で、2018年が初回だったそうです。昨年は、ちょうど西日本豪雨と 重なり、フェスタは中止となり、実質的には今回が初めてとのこと。関係者の方々は、今年も雨続き、予報も直前まで雨だったそうで、当日晴れたことだけでも嬉しそうでした。

関係者が一つのチームになり
効果的な普及啓発が可能に

この広島県交通安全フェスタは、広島県警、広島県、広島市、国(経産局、運輸局)や関連民間団体(自販連等)で組織された協議会で運営されています。この協議会では、安全フェスタのほかにサポカーの普及PR映像やマスコットキャラクターをつくったりと積極的な取り組みが行われているそうです。広島県警交通企画課の佐々木さんのお話では、「今までは、広島県、広島市、県警と各々が普及啓発を行っていました。協議会を設立し、関係者が一つのチームとなって共同で実施することで、今まで以上に普及啓発の効果が上がっています」とのこと。確かに今回集まった方々は、約1,500人。広島の放送局や新聞社も取材に訪れていました。おそらく県や市、警察が独自に交通安全イベントを実施しても、これほど人は集まらない上に、メディアも集まらないことでしょう。このような点でも、明らかに関係者が一緒にイベントを行うというメリットがあるわけです。もちろん、堅実に試乗会を実施するのも大切ですが、普及啓発の視点からすれば、合同での実施も非常に意義のあることです。

広島県警交通企画課 佐々木さん

サポカー推進用キャラクター・サポにャん

マツダとスバルが参加する
サポカー試乗会

いよいよ、サポカー試乗会場へ。今回の交通安全フェスタには、マツダとスバルの2社が参加されています。マツダは広島ということもあり、2台のサポカーを会場に持ち込まれました。赤のCX-5とシルバーのCX-3。パネルに向かって時速30kmで向かい、自動ブレーキで止まるという体験。そして、踏み間違えた時、加速抑制装置が働く体験の2つを体験できます。一方、スバルは、白のフォレスターで自動ブレーキ体験できるというものです。両自動車会社も非常に好意的で事務局の取材にも丁寧に対応して頂けました。
特に気になったのが、マツダのサポカーとしてのペダル配置にこだわった設計の話です。自動ブレーキや踏み間違え時加速抑制装置といった機能も大事ですが、ペダル配置によって、随分安全性も高まる可能性があるとのこと。ちょうど正面に向かって、フットレストとアクセルが左右にあり、真ん中にブレーキがある配置。さらにシートに座って自然に足を前に出した位置にアクセルペダルを配置することで、運転時の疲労を軽減し、とっさのときの踏み間違いも起きにくくなるそうです。

自動ブレーキの効きに
驚きの声が上がる

お客さまが並び始め、サポカーの試乗体験が始まりました。まずは、我々取材班も驚いたのが、自動ブレーキの威力。本当に人間が急ブレーキを踏んだかのように、正面のパネルに向かって自動ブレーキが作動するのです。あきらかに外で見ている人もびっくりするぐらいに急ブレーキで急停車。当たり前ですが、障害物の直前にしっかりと止まります。取材班も体験したのですが、予想以上にぐっと止まり、思わず声が出てしまいます。興味のある方は、動画をぜひともご覧ください。
実際に体験者の多くの方々も、2つの体験のうち、自動ブレーキの方に反応されているようでした。体験を終えた方にお話をお伺いすると、「思ったよりキュッときくんだな」「確かに思った以上に有効な機能」「キュッて止まるの、素晴らしい」といったような言葉でした。特に体験者のひとりは、「右折するときに渋滞で反対車線の車は交差点の手前で停車。後続車は並んでいるし、大丈夫かと思い、右折し始めたら、オートバイがスッと出てきて、ピピピと止まった。自動ブレーキに助けられてホッとした」と自動ブレーキに助けられたと話されていました。

高齢者自動車事故の話で自分も不安に

お客さまに話を伺うと、今回試乗体験に参加した理由の多くは、高齢者の自動車事故のニュースが最近多く、自分も不安になったと話されていました。50代女性の方の話ですが、「最近高齢者の事故も増えてきて、不安。日頃運転していても、こんなところで入ってくる?っていうことがあるので、そういう時の判断。あと左折右折の時は少しスピード落として止まれるようにはしているけど、急に人が出てきたりした時に、障害物と判断してストップしてくれれば、ちょっと衰えた部分をサポートしてくれるかなと思っている」とのこと。他にも左折右折の時には注意していても、ハッとする時が多いと皆さん話されていました。
自分が予期できないことが起きやすいのが交差点。自動車だけでなく、歩行者も自転車もバイクも交差する場所で、人それぞれの意思があるので、時にはその意思が通じず事故が起きやすいのかもしれません。体験者の一人が、サポカーのことを「事故が少なくなればいいと思うけど。自分も気をつけて車も気をつけてくれるっていう感じ」と話されていました。まさに、人間だけではなく車も気をつけてくれているという感覚がサポカーなのかもしれません。

意外に多いサポカー所有者の体験者

今回、改めて驚いたのが、試乗会に訪れていたお客さまの約半数の方がすでにサポカーを所有していたこと。不思議に思って聞いてみると当然な話ですが、今まで自動ブレーキが作動したことがないという人が圧倒的に多数でした。もちろん前述のように助かったという方もいます。あるお客さまは「メーカーでサポカー買うでしょ?こういう体験することができないから自分の車では。ここではできるんだけど。体験するのはかなり重要だと思う。ディーラーではできないから、こういう想定環境を作って、こうですよっていうのがない。効きますよっていうのはあるんだけど、試したことがない。事故じゃないと試せない」と話されました。なるほど、自動ブレーキ装置と書いてあっても、あくまでスペックであって、実際にどのように作動するかを事前に体験しておくことは重要かもしれません。サポカー試乗体験は、これからサポカーを購入する人への普及啓蒙もありますが、もうユーザーとなっている人へのアフターケアみたいな意味でも大事なんでしょうね。さらに「安全のための技術もどんどん進んでいくから、常に最新のものを知りたい」という話も聞かれました。様々な安全のための技術に人間が適応できる場がサポカー試乗体験でもあります。

最後に

今回は好天気にも恵まれて交通安全フェスタにお客さまも多数参加。そして、メディア各社も参加。もちろん、サポカー試乗体験へも多くの方々が参加されました。やはり、一番のポイントは、警察、県、市、国、関連民間団体が共通の目的を持って事業を取り組んだ成果だと思います。実質初回で広島県交通安全フェスタ2019を無事に終えて、次年度以降どうするかを既に気にされていたのですが、関係者皆さんの力で必ずや素晴らしいものとなるでしょう。サポカーをこれから持とうという人、既に持っている人、皆さんその技術に関心されていました。ある人は、若い時からサポカーに乗ると運転技術が落ちるのではと不安がっているくらいでした。取材班としては、「自分も気をつけて車も気をつけてくれる」といった言葉を大事にして、これからもサポカーの啓蒙普及をしていきます。

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